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『システムを戦闘モードに移行してください』
輸送VTOL内で指揮を執るラピス管制官(オペレーター)のハスキーな声が耳に入る。
輸送VTOLの高度は四〇〇〇メートルだが、作戦領域に近づいたのだろう。ミヒャエルはネクストのコクピットから眼下に広がる蒼い海を眺めた。
静かに波をたたえる海原の中に、針のように細い人工島が浮かんでいた。この島が今度の作戦領域だった。
(詰まらんな)
『何か言いましたか?』
ラピス管制官から返答があり、ミヒャエルは苦笑いした後、言語中枢とAMSを切り離した。
延髄を経て脳とACの統合制御体が直接データをやりとりをするAMS(Allegory-Manipulate-System)にはこんな弊害もある。統合制御体が搭乗者の脳からどのような情報を拾うのかは、自己学習式の人工知能によるところが大きい。これでこの統合制御体も「独り言」を拾うのは止めるだろう。
『作戦目標上空に到達しました。ミスター・フランツィスカーナ、準備はいかがですか』
「問題無い」
『ではロック解除します。お気をつけて。ご武運を』
無線が切れ、ネクストと輸送VTOLを繋いでいたジョイントのロックが解除された。
ネクストが自然落下を始め、その間にミヒャエルは統合制御体からの電子情報を大脳に受け入れる。
ミッション名:海上空港奪還作戦
作戦領域:海上空港内
敵戦力:不明
作戦目標:海上空港を実行支配する武装テロ集団の排除
情報が流れ込むと共に脳にのし掛かる重苦しい圧力と激しい頭痛がミヒャエルを襲う。
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