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『ミスター・フランチェスカ。援護要請が入っています。急行してください』
オペレーターのラピス管制官の声はいつでもクールでハスキーだ。
ハエやゴキブリの如くたかっていた戦闘ヘリと軽量MTは排除し終えた。ミヒャエルはブーストを掛けて“カノンフォーゲル”を宙に舞わせると、廃墟となった高層ビルの谷間を一気に通り抜ける。援護要請が入った作戦領域に入り、味方の機甲部隊を見えてきた。彼らは高層ビル群の奥に向けて砲撃をしつつ、後退している。敵側のネクストが現れたのかもしれない。陸上部隊は鉛色の空を翔るネクストの機影を見つけると、歓声と共に手を振った。
「任せろ」
機甲部隊の車両の列を追い越すとカノンフォーゲルは高度を下げ、滑るように進む。そして半ばから折れた高層ビルの角で停止。気配を探った後、クイックブースト(QB)で通りに躍り出てスナイパーライフルを構えた。その直後、カノンフォーゲルの足元にノーマルの残骸が散らばっているのに気付く。そして目を前に向けると通りの遥か先に巨大な何かが見えた。ミヒャエルは息を呑み、反射的に高層ビルの陰に隠れた。
『無人偵察機から敵機の情報が入りました。例の奴です』
「実戦に投入されたか。油断はしないが、負ける気もしない」
『今回は完成型だと思った方がいいです。前の時のような優位性は……』
ラピス管制官の言葉を遮り、強大なエネルギー砲弾が高層ビルを貫いてネクストに襲いかかった。ミヒャエルはQBでかわし、通りの突き当たりに鎮座する砲撃手と相まみえる。
それは鋼色をしたネクストの数倍の大きさはあろう巨大四脚MTだった。今回はPAを貫く最強の矛、コジマキャノンを搭載しているようだ。出力と耐久性能から言えばカノンフォーゲルが圧倒的に不利だ。
「……面白い! これこそが戦争って奴だ!」
ミヒャエルは叫び、OB発動を統合制御体に命じると巨大四脚MTに突撃していった。
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