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だが、ここには観客が全くいない。
今、二機のネクストがいるのは人工島の水面下フロア……ここが海上空港だった時代には巨大旅客機を待機させたり、整備していた階層だ。ACが戦うのに充分な広さがあるが、滑走路を支えるために並ぶ幾つもの柱が遮蔽物となっている。今はその柱に白いネクストを援護するMT部隊が隠れていた。
静かだった。
センサは人工島に押し寄せてくる波の音だけを拾っているかのようだった。
白いネクストはクイックブースト(QB)でカノンフォーゲルとの距離をとり、レーザーライフルを放つ。レーザーはPAの効果が薄くなる数少ない兵器の一つだ。対ネクスト戦を想定しての装備だろう。
レーザーライフルの銃口を注視していたミヒャエルはQBでレーザーかわし、そのまま一番隅の柱に隠れた。
すると二機の可変MTが左右から回り込んできて、プラズマ砲を放つ。カノンフォーゲルはPAで耐え、プラズマキャノンで反撃し、大破させた。しかしPAでプラズマを受けた代償に、装甲効果は減退する。それは時間と共に回復するが、大破したMTの代わりに新たに一機回り込んできて、PA回復の間を与えずに攻撃を続行する。
「戦術の初歩ができていない」
ミヒャエルはうそぶいた。
『虚勢を張るものだな』
白いネクストのリンクスが冷静に応じた。
「追い込んだつもりだろうが、こんな狭い場所では戦力を集中できない。二機同時がせいぜい。外の方がマシだ。機密保持のためか」
ミヒャエルは可変MTの一方にオーバードブースト(OB)を掛ける。
MT隊は姿を現したカノンフォーゲルに狙いを定めるが、掠りもしない。白いネクストのレーザーライフルだけがPAを貫通して命中するが、メインユニットからは逸れ、損傷は軽微だ。
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